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カトレアの咲く季節

第5章 銀色のカトレア

 アレクは、子どものようにユナに抱きつきたい衝動を抑え、両手でユナの細い手を取った。
「さ、広場に戻ろう。もうすぐ収穫の踊りが始まるよ」
「あら大変、もうそんな時間?」

 ユナが慌てたように声を上げたとき、風に乗ってしゃんしゃんしゃん、と軽やかな鈴の音が聴こえてきた。
 それを聴いたトマスは、顔中で笑って2人の背を押す。
「さぁ、行っといで。フレンの御加護に感謝を」

「ええ。ありがとうトマスさん。フレンの御加護に感謝を」
 同じ言葉を返して、ユナが空いている手を振る。
 それから2人は手を繋いだまま、駆け足で広場を目指した。

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