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「なぁ、彩。楽しかったか？」
「はい。石井さんと一緒に食事ができて嬉しかったです。」

「お前あまり食べてなかったくせに。お前が痩せると周りがうるさいから、メシくらいちゃんと食えよな。食欲ないのか？」
「・・・迷惑かけてしまってすみません・・・。」

「あ、そうだ。和成と話したいことあるからお前、一人で帰れるか？帰れるよな。じゃあ、店で。」
「え・・・あ、はい。お店で。」

寂しそうな顔をしていたから触れるだけのキスをしてやった。

キスくらい何度もしているくせに顔を赤くしている彩が可愛く見えた。


「なぁ、ゆう・・・彩ちゃんのこと、どうしたいんだ？」
「ずっと手元に置いておきたい。それだけ。」

「今他に女いるのか？」
「まぁな。この前来たマリアともう一人くらいだけど。」

「あの子、かなり我慢していると思うけど。そんなに会ったことないけど、下唇噛んでさ、ぐっと堪えている顔、見てらんなくて。それで今日呼びだしたんだ。」

「あいつ『大丈夫です』って言ってるし。でも和成がそんなに心配するなら気にかけておくよ。」

和成と次はいつ同級会をするかとかそんな話をしてから別れた。
スマホを見ると彩とマリアからLINEが入っていた。

『今日は誘ってくれてありがとうございました。石井さんと食事ができて嬉しかったです。今度は私が作ったの、食べてくださいね。』

『最近忙しい？悠不足だよー。会いたーい！』

『週末、仕事終わったら行くから。食事用意して良い子で待ってろよ。』

そう彩にLINEしてからマリアに電話をした。

マリアが会いたがっていたが酒も入り、このまま向かうのはしんどかったのでまた今度時間を作ることを約束して許してもらった。