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my life

第13章 my life-再開

「何かありましたか?」
「あ~旦那さん。ちょっとトイレで落としものしちゃって、一緒に探してもらっただけっす。そうだ。このあと一緒に飲みましょうよ。」

ヘラヘラ笑いながら歩き出す崇。
彩はドレスをぎゅっと握って苦しそうな顔をしていた。
今にも泣き出しそうな。

彩が涙を流す姿は好きだが、俺以外が泣かせるのは納得がいかない。
俺って勝手だ。

「彩?どうした?」

彩の腕をつかもうとした瞬間、崇が彩をひっぱり席に戻って行った。

「二人とも遅いよぉ。彩ちゃん顔色悪いけど大丈夫?やっぱりお酒だめなんじゃない?」

心配するチアキだったが、崇は平気そうな顔をしていた。

「薬が効くまでもう少しかかると思うよ。早く薬が効いてくれるといいんだけど。」
「薬?サプリじゃないの?」

「あーサプリサプリ。時々間違っちゃうんだよ。ほら、これ飲めよ。チアキちゃんだって飲んでるんだから、お前が飲まないと失礼だろ。」
「・・・うん・・・」

彩はちびちびとカシオレを飲み始めた。

席に運んでからだいぶ経っているから氷も解け、だいぶ薄くなっているはず。

それでもアルコールが入っていることに間違いはない。

早く山崎さん到着してくれ。
そう願うばかりだった。

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