溺愛メイド
第1章 1
大きいお屋敷のメイドに派遣された。
国王の跡取りがいるお家だとは知っていたけど、下っ端メイドだから見たこともない。
広すぎるお屋敷の端っこの方を毎日掃除して終える人生だと思っていた。
私は20歳。
もともと貧困な家庭で育ち、学校もそこそこですぐ働き出した。青春をする暇もなかった。
教養もなく経験もない、ぼんやりとした存在だった。
メイドというとキラキラした服がイメージされると思うけど、長い誰かのお下がりの黒いワンピースに、これもまたお下がりのエプロン。申し訳程度のフリルは洗濯でよれていた。
メイドの中でも最下層ということが見ただけでわかる。
メイドの先輩方は厳しく、ぼんやりした私に冷たかった。
ある日、焼却炉でゴミを捨てていた時預かった届け物をどこに渡せばいいのかわからず屋敷内をぐるぐる回っていた。
開けて良いのかダメなのか、色んな扉があるからそーっと開けて隙間から中を伺うと誰かと目があった。
「誰だ。」
低い声。
「あっ、ごめんなさい。私はえっと…」
すぐ返答出来ずオロオロしていると、扉が開き目の前に男性が立っていた。
男らしい顔立ちに冷たい目、身長はすごく高く体格も良い、そしてとっても立派な服を着ていた。
(片手で殺されそう)
貧弱体系の私はそんなバカなことを考えていた。
「なんだ、それか。貸して。」
ポカンとする私の手から届け物をひったくる。
「う、ごめんなさい、失礼します!」
荷物を取られた衝撃で我に帰った私は威圧感に負けて立ち去ろうとする。
「お前、名前は」
低く冷たい言葉にどきっとして振り向くことが出来ない。
「ひなです…。失礼しますっ」
名前を小さい声で伝えて走り去る。
きっとあの人は王家の関係者。
今日の無礼で仕事を失ったらどうしよう、そんなことを考えながら涙目で持ち場に戻った。
次の日、
メイドの先輩から呼び出され持ち場変更の辞令を受ける。ある一室を担当させられるらしい。
やっぱり追いやられた。
昨日の無礼の所為だ。
初めて会う警備員に連れられ、普段通ったことないお屋敷の奥の方に進みその部屋に着く。
警備員はそこで離れ私は一人でその部屋に入る。
そこには昨日見た人がいた。
国王の跡取りがいるお家だとは知っていたけど、下っ端メイドだから見たこともない。
広すぎるお屋敷の端っこの方を毎日掃除して終える人生だと思っていた。
私は20歳。
もともと貧困な家庭で育ち、学校もそこそこですぐ働き出した。青春をする暇もなかった。
教養もなく経験もない、ぼんやりとした存在だった。
メイドというとキラキラした服がイメージされると思うけど、長い誰かのお下がりの黒いワンピースに、これもまたお下がりのエプロン。申し訳程度のフリルは洗濯でよれていた。
メイドの中でも最下層ということが見ただけでわかる。
メイドの先輩方は厳しく、ぼんやりした私に冷たかった。
ある日、焼却炉でゴミを捨てていた時預かった届け物をどこに渡せばいいのかわからず屋敷内をぐるぐる回っていた。
開けて良いのかダメなのか、色んな扉があるからそーっと開けて隙間から中を伺うと誰かと目があった。
「誰だ。」
低い声。
「あっ、ごめんなさい。私はえっと…」
すぐ返答出来ずオロオロしていると、扉が開き目の前に男性が立っていた。
男らしい顔立ちに冷たい目、身長はすごく高く体格も良い、そしてとっても立派な服を着ていた。
(片手で殺されそう)
貧弱体系の私はそんなバカなことを考えていた。
「なんだ、それか。貸して。」
ポカンとする私の手から届け物をひったくる。
「う、ごめんなさい、失礼します!」
荷物を取られた衝撃で我に帰った私は威圧感に負けて立ち去ろうとする。
「お前、名前は」
低く冷たい言葉にどきっとして振り向くことが出来ない。
「ひなです…。失礼しますっ」
名前を小さい声で伝えて走り去る。
きっとあの人は王家の関係者。
今日の無礼で仕事を失ったらどうしよう、そんなことを考えながら涙目で持ち場に戻った。
次の日、
メイドの先輩から呼び出され持ち場変更の辞令を受ける。ある一室を担当させられるらしい。
やっぱり追いやられた。
昨日の無礼の所為だ。
初めて会う警備員に連れられ、普段通ったことないお屋敷の奥の方に進みその部屋に着く。
警備員はそこで離れ私は一人でその部屋に入る。
そこには昨日見た人がいた。