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溺愛メイド

第1章 1

「あ、あれっ?間違いましたっ」

私はどこか奥の倉庫でも任されたと思っていた。
こんな偉い人が来る所なわけがない。

「合ってるよ。」

大きい見たことがない豪華なソファーに腰掛けた昨日の人がこちらを見ている。
目力強すぎる、、
目力が怖すぎて固まった私を見て、その人はため息をつきこちらに歩み寄ってきた。
怖い。
私は平均くらいの身長あるのにこの人を見上げると自分がまるで子供みたいに小さく感じる。

「ひな。」
「え、はい。」

完全に怯えた私は目が逸らさない。

「今日からここ担当な。制服ひどいから変えてこい。ついでに風呂も入れ。」
何か汚いものを見るような目でそう言い、強引に腕を引かれ広すぎる部屋の中にあったバスルームに連れて行かれる。


バスルームが、シャワーヘッドが、全てがキラキラしている。
感動したいが、ゆっくり入ってると怖いので素早く風呂に入り用意されていた新しい制服を着る。

制服が今までのと違う。
先輩と同じ綺麗な新品になったわけでもない。


メイド服ではあるが、丈が太ももの真ん中くらいの短さ。エプロンも合わせて短く、フリルが今までのより大きくてすごく可愛い。スカートが短いからか、白い長い靴下が付けられていたので履くと膝の上までの長さだった。

「あの、着ました。」
短い丈が慣れずスカートの裾を掴みながらその人の前に立つ。

「ふーん。」
その人はじろじろと私の全身を見る。

「良いんじゃない。」
初めて笑ったその人の顔は意地悪な笑い方で、本当に良かったのか信じ難かった。


その後は、いつもと同じくお部屋の掃除。
でもこの部屋綺麗であんまり掃除するところがない。

あと、制服が短くなったので屈んだりするのが少し恥ずかしい。振り返った時その人はこっちを向いてなかったけど。

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