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スケコマシ異能で異世界を無自覚蹂躙

第1章 1学期終業式の後

終業式の後、クラスでホームルーム。
担任教師から、夏休みのもろもろの注意。
「それじゃ、これで終わります。起立!」
教師から号令がかかり、クラス生徒全員起立し、礼。

次の瞬間、クラス内は騒然とした。
「やったー!」
「夏休みだー!」
「今からどこか、行こうぜ!」
「帰りに、ゲーセン行く?」
「何時に、どこそこで集まろうぜ」

そんな中、一人ポツンと孤立している男子が、いた。
しかし、誰も彼が孤立していることに気づかない。
いや、彼が孤立しているのは、ごく日常的な光景で。

そう、彼は、友だちが一人もいない、ぼっちだった。

ぼっちといえば、イコール悲哀…と思いきや、当の本人は
「ああ~、暑い、暑い」
と意外にさっぱりとした、のんびりした雰囲気である。
そう、この男子は、ぼっちであることに慣れきっており、今さら別に何とも思っていないのであった。

ということは、この男子、じつは同性の友人はいなくても、異性の友人がいっぱいいるとか?

残念ながら、異性つまり女子の友人も、一人もいないのであった。
だいたい、同性と気軽に話もできないような人間が、異性と話ができるはずもなく。

やがて、クラスの教室から一斉に人が飛び出し、教室にはその男子ケイタだけが、ポツンと残された。

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