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スケコマシ異能で異世界を無自覚蹂躙

第2章 わが国の海軍を指揮してくれたまえ

まばゆい光がだんだん薄らいでいくのが、分かった。
「うーん」
目をそっと開くと、床に魔法陣のようなものが描かれている。
周りを見回すと、その光に包まれたはずの同じクラスの女子15人が、いない。そこにいるのは、自分一人だけというケイタ、僕である。

「お気がつかれましたか?」
年老いた司教のような姿のおっさんに声をかけられた。
「はい…、ここはどこですか?」
「ここは、あなた様のおられた世界とは、別の世界です。世界の名は、ワールドマリンバトルといいます」
ワールドマリンバトル?世界、海?戦?
「あなた様を召喚した理由を説明しますので、どうぞこちらへ」

「…というわけで、現在、わが国の海軍は壊滅状態であります。そこで、別世界で海軍の指揮に長けたかたを召喚し、救ってもらおうということになりました。魔法で呼び出したところ、あなた様が選ばれたというわけです」
壁に軍艦同士が戦っている海戦の絵が描かれている大広間のような部屋で、僕は説明を受けた。
「しかし」
と僕は、言った。
「僕は、ただの中学生で、海軍を指揮することなんてできません。元の世界に帰らせてください」

すると、老司教は
「それでは、やむをえませんね」
と言って、そばにいた兵士に何かを命じた。
やがて、ぞろぞろと連れられてきた女子たち。全員、首に鎖をかけられ、まるで奴隷のような…。
「あッ?」
「ケイタくん~~!助けて~~~」
「ケイタくん、ケイタくん」
なんとその女子たちは、クラスメートの15人の女子たちだった。
「この者たちは、なぜかあなた様と一緒に現れました。しかしこの者たちには、海軍を指揮する才能が無いようです。よって、奴隷として売り飛ばそうと思いましたが、もしかするとあなた様の大事な人たちかと思い、手元に置いておきました。どうですか?この者たちは、あなた様の関係者ですか?もし関係者ならば、わが国の海軍の指揮をどうぞお願いします。もし関係ないというなら、この者たちはすぐに売り飛ばし、あなた様も奴隷となってもらいますが」

いわゆる勇者としてこの世界に召喚されたのかと思いきや、トンデモな展開である。
僕は、女子たちを見やった。
正直、話もしたことないし、関係ない。
しかし、いちおう同級生だったのだし、このまま売られるのも可哀そうだし、しょうがない。
「この子たちは、僕の愛人たちです。海軍の指揮をします」

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