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宅配のお兄さんにどんどん逃げ場を無くされるはなし

第3章 進展

世間話をするようになって、気づいたのだが私と彼は趣味が合う。
私は、小中学校の頃ピアノを習っていたこともありクラシックが好きだ。その中でも、お気に入りはショパン。心地いいリズムとピアノの音が身体に響いてくる感じが好きで、CDを聴いたりたまにコンサートにも行くのだが彼もそうらしい。

商品を届けてくれた彼と話している際に、何処からか聞こえたショパンの音楽。
きっと、近所に住む誰かが弾いている音が漏れてきたのだろう。私は、その曲を聞いて「別れのワルツだ。」心の中でつぶやいた。

彼と話しながらも、音楽に気を取られているとそんな私に気づいたのか彼は「ショパン好きなの?」と尋ねてきたのだ。
曲を聴いただけで、ショパンって分かるなんてもしかして同士!?と思って私は「うん!!別れのワルツや幻想即興曲が特に好きなの」と言った。

「そうなんだ、僕もショパン好きだよ。特にワルツ第3番 イ短調 作品34-2が」

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