
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第10章 山田二郎
しぶしぶ、ビルの中に入り、エレベーターの前に立つお面姿の良夫。
一緒に乗ってきた車には、欲しかったプラモデルが置いてある。二郎を引き戻ないことには、それを部屋で眺めてウットリする時間が訪れない。
エレベーターが下りてくる間に、一台の車が入り口の前で止まったのが見えた。
ヤクザの仲間の車だろうか?
そう思っていると、車から同じような怖い男が出てきた。
おそらく、組長の田原を病院まで連れて行くのために来たのだろう。
エレベーターが下りてくると、良夫はふと、あることが気になった。
自分は何階に行けばいいのだろうか?
二郎はどこに行った?
そうなると、このエレベーターで自分はどこに行くんだと扉の前で呆然としていた。
チーンという音とともに、エレベーターの扉が開いた。
すると、中から繋ぎの作業服に身を包んだ白髪の老人と、油染みのついたグレーのダウンジャケットを着た50代の男性が現れた。
良夫は、その二人を見て、「あっ」と声を出した。
それは、漠間博士と三島くんだった。
三島くんは、良夫を見ると、「あ、お面の人……」と指差した。
良夫は、交互にエレベーターと二人を目に映し、「え、え、なんで? なにしてはんの?」
「いや、電気配線の修理を頼まれて、ここに来たんすよ」と三島くん。
「え、そんな仕事してますの?」
良夫の質問に、漠間が道具箱を示し、
「私、第二種電気工事士の免許持ってますよって。まあ、表向きではないですが、裏稼業でやってます」と答えた。
一緒に乗ってきた車には、欲しかったプラモデルが置いてある。二郎を引き戻ないことには、それを部屋で眺めてウットリする時間が訪れない。
エレベーターが下りてくる間に、一台の車が入り口の前で止まったのが見えた。
ヤクザの仲間の車だろうか?
そう思っていると、車から同じような怖い男が出てきた。
おそらく、組長の田原を病院まで連れて行くのために来たのだろう。
エレベーターが下りてくると、良夫はふと、あることが気になった。
自分は何階に行けばいいのだろうか?
二郎はどこに行った?
そうなると、このエレベーターで自分はどこに行くんだと扉の前で呆然としていた。
チーンという音とともに、エレベーターの扉が開いた。
すると、中から繋ぎの作業服に身を包んだ白髪の老人と、油染みのついたグレーのダウンジャケットを着た50代の男性が現れた。
良夫は、その二人を見て、「あっ」と声を出した。
それは、漠間博士と三島くんだった。
三島くんは、良夫を見ると、「あ、お面の人……」と指差した。
良夫は、交互にエレベーターと二人を目に映し、「え、え、なんで? なにしてはんの?」
「いや、電気配線の修理を頼まれて、ここに来たんすよ」と三島くん。
「え、そんな仕事してますの?」
良夫の質問に、漠間が道具箱を示し、
「私、第二種電気工事士の免許持ってますよって。まあ、表向きではないですが、裏稼業でやってます」と答えた。
