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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

拾った電化製品を漠間が修理し、三島くんが動くかどうかを試用する。

テレビ等のリモコンを必要とする電化製品は、リモコンと一緒に捨てられているものはそのまま使えるが、無いものは、メーカーと本体の番号で合う物をリサイクルショップで探し出し、セットで販売する。

男性客が、ラジコンヘリを手に取った。

「これ、二千五百円て安いなぁ。ちゃんと飛ぶの?」

「もちろん、リモコンは電池を入れて貰えば大丈夫。ただ、説明書が無いのは御勘弁くださいませ」と三島くんは、笑顔で対応する。

男性は、「じゃ、これ貰うわ」と財布から三千円を出すと、三島くんは、「お買い上げありがとうございます」と、クッキーの四角い缶から、五百円玉を出して男性に渡した。

それを聞いていた漠間も、修理の手を止めて振り返り、大きな声で、「ありがとうございます。お買い上げ、感謝いたします」と頭を下げる。男性は笑顔で、ラジコンヘリを抱えて去っていった。

漠間は、男性を見送ると、また頭を下げる。

「三島くん、お客様には感謝の心で対応するのじゃぞ」

「はい、博士」

「ちょっと音が寂しいから、ラジオでもつけようか」と言って、作業に戻る。

「あ、わかりました」

三島くんの背後には、漠間お手製の発電機が置いてあり、それに繋がった延長コード付きタップに、電気ストーブのコードをを繋げていた。

漠間の横には、ラジオがあった。そこから白いコードが伸び、三島くんは、そのコードをコンセントにさした。

そしてラジオのスイッチを入れると、放送が聞こえた。

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