テキストサイズ

お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

三島くんは接客に戻り、電化製品を一つ一つ売っていく。

30分後、ようやく漠間の手が止まった。

「よし、これでいい。完璧だ。充電さえしておけば、あとはスイッチを入れれば、すぐにでも動く」

ホッと一息をつき、漠間は油のついた手を洗おうと、境内の中にあるトイレに向かった。

三島くんは、商品の説明をしている。

そこに小学校低学年くらいの、子供がやってきた。

「うわ、なんだこれ!?」

真っ先に目がいったのは、剣道練習用ロボット、コテ・メンドウジャだった。

「うわぁ、すごいなぁ」と子供は、目を輝かせる。

三島くんは、「それは、剣道練習用ロボットなんだよ。うちの博士が半月で完成させたんだ。すごいだろ」と説明する。

子供は興味津々に、「これ動くの?」と聞いた。

三島くんは、ニッコリと笑う。

「動くよ。でも、まだ充電はしていないから、動かないねぇ」

そう言って、コテ・メンドウジャの背中にあるスイッチを入れた。

すると、キィーンという耳鳴りのような音が鳴り、剣道防具の面の奥に、二つの赤い光がついた。

「えっ?」と三島くんは、目を丸くする。


メンドウジャは竹刀を持つ手を振り上げ、突然動き出した。

「うわぁーっ!」と子供は驚いて、走り出す。

「え、ちょっと待って、なんで動くの?」

三島くんは、メンドウジャの下半身である台車の後ろを見る。

コードが伸びているのを見付けた。

そのコードを辿ると、発電機のコンセントにまで繋がっている。

「あれ……これって……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ