
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。
場所は、場外馬券売り場。競馬ファン数十人が、集まる中、良夫は、ふてくされながらコンビニから戻ってくる。
「予想屋……これを飲め」
「兄さん、これは甘酒やないっすか」
「贅沢言うな! ワンカップ関脇よりこっちの方が安かったんだよ。ちょっと、あんたが思う堅いやつ教えろ」
「しょうが無い、儲けたらワンカップ三本でっせ」
「それでいいのか?」と良夫は、予想屋が書いた各レースの馬番の予想メモを受け取った。
そして、その通りに各レース、五百円ずつ馬券を、タッチパネル式自動券売機で買うと、テレビ画面の前に立った。
レースが始まる、ほんの2分前。
その後ろに1台の車が、止まった。
路上のパーキングに止まった、白いワゴン車の中から出て来たのは、骨董品屋の店主だった。
店主はメモを片手に、紙袋を抱え、
「喫茶さつきで待ち合わせか。たまたま近所にきていたのは運がいい」
骨董品屋から場外馬券売り場までは、徒歩15分くらいだが、高価なお宝かもしれない品を持ち運ぶため、わざわざ車に乗ってやってきた。
車道を渡り、馬券売り場を過ぎると、その隣にある丼専門の飲食店の男性店員が、お昼開店のため、「大盛り海鮮宝石箱丼」と書かれた幟を立てていた。
その店員に、猛スピードで向かってくる物体があった。
剣道練習用ロボット、コテ・メンドウジャだった。
「うわっ!」
驚いて、幟を手に持ったまま後ろに倒れる店員。
周囲は、メンドウジャの姿を見てざわつきはじめていた。
メンドウジャは店員に近寄ると、ビシッと竹刀で、店員が持つ幟を弾いた。
弾かれた幟は、歩いている骨董品屋の店主の手に当たり、幟は音をたて転がった。
「なんじゃっ!?」
なにが起こったのかわからぬまま、店主は落ちている幟を拾うと、さらにその幟に向かって竹刀が横から流れてきた。
「予想屋……これを飲め」
「兄さん、これは甘酒やないっすか」
「贅沢言うな! ワンカップ関脇よりこっちの方が安かったんだよ。ちょっと、あんたが思う堅いやつ教えろ」
「しょうが無い、儲けたらワンカップ三本でっせ」
「それでいいのか?」と良夫は、予想屋が書いた各レースの馬番の予想メモを受け取った。
そして、その通りに各レース、五百円ずつ馬券を、タッチパネル式自動券売機で買うと、テレビ画面の前に立った。
レースが始まる、ほんの2分前。
その後ろに1台の車が、止まった。
路上のパーキングに止まった、白いワゴン車の中から出て来たのは、骨董品屋の店主だった。
店主はメモを片手に、紙袋を抱え、
「喫茶さつきで待ち合わせか。たまたま近所にきていたのは運がいい」
骨董品屋から場外馬券売り場までは、徒歩15分くらいだが、高価なお宝かもしれない品を持ち運ぶため、わざわざ車に乗ってやってきた。
車道を渡り、馬券売り場を過ぎると、その隣にある丼専門の飲食店の男性店員が、お昼開店のため、「大盛り海鮮宝石箱丼」と書かれた幟を立てていた。
その店員に、猛スピードで向かってくる物体があった。
剣道練習用ロボット、コテ・メンドウジャだった。
「うわっ!」
驚いて、幟を手に持ったまま後ろに倒れる店員。
周囲は、メンドウジャの姿を見てざわつきはじめていた。
メンドウジャは店員に近寄ると、ビシッと竹刀で、店員が持つ幟を弾いた。
弾かれた幟は、歩いている骨董品屋の店主の手に当たり、幟は音をたて転がった。
「なんじゃっ!?」
なにが起こったのかわからぬまま、店主は落ちている幟を拾うと、さらにその幟に向かって竹刀が横から流れてきた。
