不埒に淫らで背徳な恋
第4章 【許されぬ略奪でしょうか?】
どれほど絶頂を迎えたのかわからない。
明るい陽射しが部屋を照らしてる。
そっと起き上がり洗面ルームへ。
結局昨日出来なかった連絡。
2本の着信とLINEが3件。
(瑠香、飲み会終わった?)
(瑠香ー?もうホテル戻ってるよな?)
(おーい、潰れてないよな?ちゃんと寝てる?連絡ください)
最低だ………私。
既読つかないまま心配しただろうな。
稜ちゃんこそちゃんと寝れたんだろうか?
連絡入れないまま朝を迎えたこと怒ってるかな?
出張でこんなこと初めてだ。
酔い潰れることなど一度もない私が、どんな滑稽な言い訳をするの…?
何て返そうか…?
電話した方がいいよね?
ここだったら声聞こえない?
怒ってたらまずひたすら謝ろう。
電話をかけようとした瞬間、再びメールが届いた。
稜ちゃんからで、既読ついたの見たよね。
(朝ごはーん、1人だと寂しいな……久しぶりにホットミルクしたら舌火傷した)
思わずかけ直した。
__もしもし、稜ちゃん!?
__おはよう、瑠香。昨日、大丈夫だったのか?
__うん、連絡出来なくてごめんね?久しぶりに冷酒飲んじゃって……ホテル戻ったらそのまま寝ちゃってた
__そっか、そんなことだろうと思った〜!でもよく戻れたな?
__うん、戻ったとこまでは覚えてるから。それより舌、大丈夫?ヒリヒリしてない?
__うん……してる。痛い。
__やっぱり……冷たいお水一口でもいいから含んで冷やしてみて
__わかった。瑠香が言ってくれなきゃそのまま悶絶してたわ。
アメニティを触りながら大きな鏡の前に居る。
ハハハ…と軽く笑ったら入ってきた人影に気付いた。
携帯を耳に当てたまま硬直する。
寝起きの快くんが気付かないで私を呼んだらどうしよう…!
思わず正面を向いてわざとらしく会話を続けた。
__どう?ちょっとはマシになった?まだヒリヒリするなら寝室の一番上の引出しに薬箱あるから
__ん〜?何塗ったらいいかわかんないから今日帰って来たら出しといて
ジッと目が合ってる。
全然会話に集中出来ない。
前髪をかきあげて状況を整理してるのだろうか。