不埒に淫らで背徳な恋
第5章 【贖罪することが救いなのでしょうか?】
稜ちゃんは私をおかずにしてるだろうけど私は違う人を思い浮かべて疼いてる。
私の下着を握り締めて自慰行為してる間もどんどん気持ちが離れていってるの知らないでしょう…?
ごめんね、私は稜ちゃんの子供を産んであげれない。
だからこの生活も続けてはいけないのかな…とも思ってる。
縛りつけてはいけないと思うの、お互いに。
結局、都合の良いことばっかだね。
ズルいね。
でもどうしようもないくらい好きになってしまったの。
毎晩馳せている。
必死に我慢している。
それが苦しくて仕方ない。
心が追いつかないの。
稜ちゃんに擦り寄せることはもう不可能に近い。
決定的だったのが隠れてコンドームに穴を開けていたこと。
見てたの知らないでしょ?
本当に欲しいんだね……子供。
絶対にしないって心に誓った。
正直、ゾッとしたよ。
それが義母の入れ知恵だったことは後々知った。
心底震え上がったのは会社の近くまでアポもなしに会いに来られた時のことだ。
ちょうど昼休みで皆と一緒に居た時に後方から呼ばれて驚いた。
「お義母さん…!?」
いや、違う……皆勘違いしてる。
私の…じゃなくて旦那さんの方で。
嫌だな、佐野くんも居るのに紹介しなければならない。
仕方なく、皆とは別れて別でランチすることに。
「ごめんなさいね、急に。どうしても急ぎで伝えたいことがあって」
まさかこっちにまで足を運んでくださるなんて想定外だった。
しかもよく場所がわかったな。
稜ちゃんにでも聞いた!?
ていうか稜ちゃんから何も聞いてないけど!?
「あの、連絡くださればちゃんと時間取れますので仰ってください。今日はたまたま会社に居ましたけどほとんど外出してたりしますので」
「あら、そうなの?そんなに忙しい仕事なの?大丈夫?食事はちゃんと取れてるの?」
「はい、営業も担ってますので取引先に出向いたりしてるんです」
「そう……でも規則正しい生活も心がけてね?じゃないと授かりたい時に授かれなくなったりするわ」
やっぱり本題はそれか。
わざわざ来てまでその話する!?
前にちゃんと二人の意思伝えたよね?