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不埒に淫らで背徳な恋

第5章 【贖罪することが救いなのでしょうか?】





昨日より今日……今日より明日………
夫婦関係は徐々に冷えきってきてる……はず。
会話もほとんどないし、正直気持ちも冷めつつある。
同じ空間に居ること自体疑問だらけだ。
カウントダウン……だろうか。




「土下座はやめて」




何度そう忠告しただろう。
やっぱり会社の住所教えたんだ。
私の気持ちが揺らぐとでも思った…?
親子似てるね。




「本当は子供も欲しいし、いずれ瑠香には家庭に入ってほしい」




「仕事辞めればいいの?私、稜ちゃんのこも支えれてないんだ?仕事していいよって言ってくれたのに」




「子供が出来たら自然とそうなると思ったんだ……まさかずっといらないって言われるとは思わなくて」




支えれてない…のところは否定しないんだ…?
夫婦で解決出来ていたと思ってた私はとんだ勘違いだったってわけね。
稜ちゃんを置き去りにして鍵をかけてた私も私か。




結局はわかり合えてなかった。




「どうしたいの?」




最後の猶予だよ…?




「瑠香とやり直したい」




「やり直すって何を?」




「やり方…間違ってたから。瑠香とちゃんと話し合って」




「話し合っても同じだよ?子供はいらない」




「俺は欲しい…」




「平行線だね」




「瑠香との子供が欲しいんだよ、俺は!健康そのものだったんだろ?何がダメなんだよ!?じゃ、産休してしばらくしたら復帰してくれていいから」




じゃ、って何よ。
やり直すってこのこと?
だったらこっちから願い下げ。
話になんない。




「ちょっと時間ちょうだい……落ち着くまで別で暮らしたい」




「えっ!?何でだよ!ちゃんと向き合ってよ」




「その為に頭冷やすんでしょ」




寝室へ行ってスーツケースに着替えを詰め込む。




「何でそこでいつもキレるんだよ…」




洗面所に行こうと部屋から出ようにも道を塞がれた。
子供じみたことやめてくれない?




「出て行くって言うんなら今すぐ子づくりする」




「は!?」




「もう遠慮しないから」




「自分が何言ってるかわかってる!?」




「俺はもう二度と瑠香と離れたくないだけだ」




「どいて」




「嫌だ」








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