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不埒に淫らで背徳な恋

第5章 【贖罪することが救いなのでしょうか?】





__相手が居ると知りながら止められなかった僕が悪いです……だから捨てられても仕方ないです……嫌ですけど




__嫌なんじゃん




__はい、嫌です




結局、惚れてるのは私。
出来もしない別れを想定し泣きそうになってる。
嫌でも思い知らされる。




__じゃ、お互い悪なの?お互い巻き込んじゃったって……事故だね




__瑠香さんは悪くないですから




__おい、そこの優等生…!いや、出来の良い後輩営業マンよ…!




__はい…!




__私の方が悪いから……私だってわかってて快くん好きになったの……こんな話しながらも手放したくない……離れたくないって思ってる……最低だよ……最低だけどまだ巻き込んでいい?




__はい





__ちゃんと、ケジメつけるから







曖昧だった境界線がはっきりとしてきた。
過ぎたことをクヨクヨしてても仕方ない。
これからのことをきちんと見据えていかなきゃ。




口にはしないけど相当な不安も抱えていると思う。
一番ズルい選択はしちゃダメなんだ。
ちゃんと見極めなきゃ全部に失礼だ。
冷静になることも必要不可欠で。
もう一度向き合う。




後悔しないために。















週明けに半日休みを取り、何も告げずにマンションに帰った。




一度、様子を見に足を運んだけど玄関入った瞬間……絶句。




え………何これ?汚い。
ほんの1週間帰らなくてこれなの…?




リビングの扉が開いてある状態ですでに服が散乱している。
床にもソファーにも。
テーブルの上もグラスや空き缶、お弁当の食べ残しまで。




以前もそうだったけど誰か居ないといつもこうなっちゃうの?
腹の底から大きな溜め息が出る。
帰るたびに片付けからしないとダメなんて。




ベランダを開けて空気を入れ換える。
きっとずっと閉めっぱなしだったんだろうな。
シンクの中も洗い物で溢れてる。
私は家政婦じゃないっての。








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