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不埒に淫らで背徳な恋

第9章 【無い物ねだりの先には報復だけでしょうか?】





今でも想う姿は醜くて……滑稽なの。




お願い………もう許して。




キミじゃない誰かでいかせてよ。




私を解放して。








一人の部屋でアルコールを流し込んでは思い浮かべてしまう。
まだはっきりと覚えている自分が憎らしい。




いつまでこんなこと繰り返すの…?
それなりに欲はあるのに。
人肌恋しくて求めたくなるのに。
欲しいのはキミだけなんて。




ねぇ、今……何してる?
何を想ってる…?
誰を抱いてるの…?




苦しんでないの…?
もう微塵にも想わないのかな…?
私だけが逃れられない世界なんだ。
きっともう一生繰り返す。




キミがここから消えない。




一人でいくしかないの。
惨めだよ……
キミに触れられていると妄想を掻き立てて寂しくイクの。
他の誰かじゃいけないから。
辿り着けないから。




ショーツの中に滑らせる指だけじゃ物足りない……
物足りないのに濡れていく。
こうしてキミを絡めなければイケない身体になってしまった。




近くで鳴ったメール着信音。
たった一言のメッセージ。




(好きだよ)




春樹さんからのおやすみメール。
嬉しいはずなのに……既読は付けない。
今夜はダメ………ごめんなさい。
会えないのに想わずにはいられない夜。




会社からも友人、恋人からも連絡を遮断した日。




ひとり、キミを想う。




キミを想いながらシャンパンを口に含み、




キミを想いながら一人で絶頂した。





「ハッピーバースデー、快くん」





今日は28回目の誕生日だね。
直接は言えないけど心の中でお祝いさせて…?
こんな未練がましい私は嫌だよね…?
勝手だけど許して。




口が裂けても言えないけど、まだキミが好き。




行き場のないこの想い……ずっと抱いてる。




私ね、今……付き合ってる人が居るよ。
結婚を前提に。
酷いよね……なのにキミを想ってるんだもん。
消えた日はなかったの。




彼とセックスはしないで一人でしてるなんてどうかしてる。
終わったら虚しさだけが残るのにね。
絶頂しながらシーツを握りしめてまだ焦がれるの。





可能ならばキミに抱かれたい夜だった、と。









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