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不埒に淫らで背徳な恋

第10章 【不埒に淫らで背徳な愛なら許されるのでしょうか?】





なんて、断る理由にはならないことも熟知している。
強引に手を引かれキスをされた。
後頭部を支えられ濃厚なキス。




待って……ここマンション前。
住人には見られたくない。
力いっぱい押して引き離した。




「車は…?こんな高級車路駐しないでよね?パーキングも車上荒らしに遭うかも知れないからダメ」




「秘書に取りに来てもらう……だから泊まりだけどいいか?」




「え…?あ、うん……わかった」




「やっと敬語じゃなくなった、敬語のまま別れるの嫌だったんだ」




何となく距離を保とうとする時にはいつも敬語に戻ってしまう。
無意識に身に付いていた。




20分ほどで男性の秘書の方がいらして車を引き取って行ってくれた。
明日の朝8時にお迎えに来るそうです。
初めて会ったけど、その辺はやっぱり社長なんだな。




しかし、冗談なんかじゃなく本当に散らかってる部屋を何とか見られないようにしなくては。
秘書を待つ間に片付けてもいいかと申し出たけどあっさり断られ、結局来る寸前までキスの嵐を受けていた。




「あんなこと言われた後に離れられるわけないだろ」




どうやらずっとくっついていたいらしい。
そりゃ春樹さん次第だって言ったけどこういうことでは……




でもヤケになってる姿は新鮮でいじらしかった。
ちょっとでも焦ってるくらいが丁度いい。




「あの、本当に散らかってるんで私が良いって言うまで目瞑ってもらってていいですか?」




「別にベット行くだけだし良くない?」




「いや、だからそういうこと外で言わないでってば」




声のトーンを落として言うと面白がるのがいつものやり取り。




「まさか俺以外連れ込んでないよな?」




こ、声が大きい…!!
あまりにびっくりして金魚みたいに口をパクパクする私を見て笑ってる。
もう…!と怒りながら鍵を開けるのだ。




ドアが開いたら電気も点けさせてもらえない。
片付けさせてって言ったじゃん。




「ハァ…ッ、目瞑っててって言ったのに」




「目瞑ってるよ」








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