不埒に淫らで背徳な恋
第10章 【不埒に淫らで背徳な愛なら許されるのでしょうか?】
それってキスしてるからでしょっ…!と言い返したかったが再び唇で塞がれた。
本気でイラッとしたけどそれも一瞬。
彼の熱のこもった舌に翻弄されてギュッと掴んでいた胸元の手も、次第に首の後ろに回る。
今夜は……彼の欲情に負けた。
それでも「絶対見ちゃダメ」だと言いながら手を引いて寝室まで歩く。
リビングのソファーに昨日浴室乾燥させた服やら下着やらが散乱しているし、テーブルの上はメイク道具が散らばっているはず。
脱ぎっぱなしの服もあるし、何なら朝に脱いだショーツも置いてあるかも……いや、置いてある。
実は独り身になってからどうもだらしなくなってきている。
自覚はある、だが直す気もない。
最近完全に女子力が欠けてきているのを春樹さんに見られるのは気が引けた。
仮にも婚約者だ。
今日がお泊まりだと決まっていたなら昨日のうちに綺麗に片付けられたのに。
「はぁ〜瑠香の家の匂いだ…」
「え、そんな匂います?」
「俺の好きな匂い……安心する」
「そんなこと言いながら今薄目開けたよね?」
「開けてない、開けてない」
「絶対開けないでよ…?」
寝室のドアを開ける。
しまった…!
掛け布団とかぐちゃぐちゃだ。
「ちょっと待って」と両手で引いていた手を離した瞬間、ドア側に押し倒され熱い吐息が鼻にかかる。
「いつまで待たせるの?焦らすの天才だな」
待って…と拒む両手は頭の上で拘束された。
ベットの上、綺麗にしたいだけなのに。
横目で確認しながら絡む舌に応えていたら更に顎クイされて視線が戻る。
「なに他のこと考えてるの?その余裕…今すぐなくしてやろうか?」
「え……」
勢いよくベットに寝かされ手際良く自分の服を剥いでいく。
妖艶で且つ色気がだだ漏れな表情に子宮がキュン…となる。
「別にこれくらいの散らかりよう、気にもならないよ?そういうの気にするところが可愛くて仕方ないけど」
押さえつけられると思っていた手に優しく指が絡んでいく。
そのまま上で絡ませ、キスを降らせながらもう片方の手でブラウスのボタンを器用に外した。
カチッと枕元にある間接照明を点けられる。