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不埒に淫らで背徳な恋

第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】





激しく口内を犯されビクともしない身体を押し退けるのに精一杯。




怒ってる……荒々しい。
私からは絡ませないキス……気付いて。
虚しくなるでしょ…?ごめんなさい。




息のあがる唇が離れて……見つめ合う。




「疲れてるのにごめん……顔見たら我慢出来なくなった」




リアクション出来ずに居たらシートベルトを締めてくれて車は走り出す。




重い空気が漂う車内で会話はないもののずっと手は繋がったまま。
絡めた指が時折私の指をさする。




真っすぐ前を向いて運転する横顔。
すぐに目を逸らして俯いてしまう。
もう見透かされてるから自分がきっかけを作ってちゃんと話さなきゃ。




「腹、減ってないか…?」




しばらく続いた沈黙を破ったのは春樹さんの方だった。




「うん、大丈夫」




「そっか、帰ったらちゃんと寝ろよ」




「うん……」




「って言っても瑠香は仕事しちゃうんだろうな」




「え、そんなこと…」




何か病人扱いされてる…?
どこも悪くないんだけど。
それも春樹さんの優しさなのはようやくわかってきた頃なのに。




「バーカ、そのうちまた倒れるぞ?俺の心臓何個あっても足りねぇわ」




「………ごめんなさい」




「まぁ、瑠香はそうやって俺のこと振り回してりゃいいよ?毎日退屈するよりか何倍もマシだ」




振り回すより………傷付ける。




「退屈なのは……幸せなのかも」




「え?」




「そんなに、振り回してますか?私……」




「ハハハ、今度は拗ねるのか?忙しいな……そういうとこ好きで堪らないよ」




今は好きとか言わないで。
段々弱くなる……言えなくなる。
そんなのダメ。




今頃気付いたって遅過ぎるのは百も承知。
忘れさせて…と言った口からサヨナラを告げなきゃいけないのは酷だけど。
先延ばしになんか出来ないし、してはいけない。




自分の口から、自分の言葉で伝えるの。




「何考えてるの…?急に黙って」




もうすぐ家に着く。
そうすれば春樹さんのことだ、部屋まで来てちゃんとベットに入るまで見届けるだろう。
そこで話したら逆上するかな?




「瑠香…?」




握っていた手を引かれハッとした。








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