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不埒に淫らで背徳な恋

第12章 【エピローグ】





でも、全社員にプライベート筒抜けとなるこの始末……かなり痛い。
しかし、それも自分の撒いた種なのだ。
腹をくくろう。




忘れられなかった事実。
前を向こうとしたこと、春樹さんに甘えてしまったこと、結果的に傷付けて終わったこと。
私なりの言葉で伝えた。




「で、今まで誰がマネージャーの心を射止めてたんですか?この際、聞いてもいいですよね?」




みなみちゃん、何だか楽しそうね。
これはもう知ってる顔だし言わされてるのもわかってる。
言いやすいように持っていってくれてる優しさも、ありがとう。




静まり返るミーティングルーム。




もう一度言うが、忙しい朝の時間帯だ。
サラッと報告してサラッと終わる予定だった。
それが今は全視線を注がれ私の返事待ち。




時間を取らせるわけにもいかない。
言わなければこの場の解散も出来ないだろう。
意を決して顔を上げる。




「それは……その、前まで一緒に働いていた佐野くん…です」




「マジか!」って知らなかったのは部長だけ。
他はやっぱり…な顔。




「以上です、解散…!」




本当、この場に佐野くん居なくて良かった。
居たら仕事にならない。
女子たちはキャーキャー騒ぐわできっと佐野くんが質問攻めになってたはず。




「そっかそっか、幸せならそれで良いんだ。式とか決まれば早めに言えよ?盛大に祝ってやるから」




「ま、まだです……!そんな」




部長に豪快に笑い飛ばされ耳まで真っ赤な私は小さくなる。
そんな日は……遠くもなさそうだけどもうお腹いっぱいな今は言えない。
これで勘弁してください。




「やっと謎が解けました」とみなみちゃん。
またもや年下キラーと言われても仕方あるまいと思っていたが「佐野っちなら安心です」って意外な解答。




「いや〜佐野っちもマネージャーに恋するただの新入社員かと思ってたんですけど本気で射止めるとは……他の人にはないところがあったんですね!さすが!今度会ったら褒めてあげよ」




恐れ入ります。
「応援してます」とか心強い存在。
年下キラーですみません…と伝えたら爆笑されたけども。








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