不埒に淫らで背徳な恋
第12章 【エピローグ】
あと、ウルウルした瞳で「おめでとうございます」と言ってくれた田中くん。
その節はどうも…です。
大変、お世話?になりました。
「佐野っちと幸せになってください」
「ありがとう、田中くん」
ちょっと泣かないで……懲りずに言うけど朝一だよ!?
この後取引先とアポ取ってるんでしょ?
真っ赤な目で行っちゃうの?
ティッシュ差し出してる絵図ってどうなの?
「佐野快……佐野快……快くんねぇ、納得納得」
背後からブツブツ…と月島くん。
少し離れたところで私だけに聞こえる声。
そういうところは上手い。
「彼じゃないと禁断症状出てましたもんね?良かったですね、上手くいって」
彼にも……その節は大変お世話になりました。
そしてどうかお忘れください。
「結局敵わない相手のとこ行っちゃうんだもんな〜本当、幸せなってくれなきゃ諦めつかないっすよ」
そうだ……断ったけど長期戦で行くって言われてたんだ。
どうしよう、何て言えば伝わる…?
一番効果的な言葉って何!?
「ハハハ、困らないでください。そういう顔させたいわけじゃないので。応援してるって言ってるんです、いや、応援させてください」
や、やられた………
最後の笑顔は吹っ切ってくれた様子だった。
ここまで言わせちゃったんだな、重ね重ね申し訳ないけど…私はもう迷わない。
ありがとう、好きになってくれて。
私の可愛い部下たち。