不埒に淫らで背徳な恋
第12章 【エピローグ】
「ねぇ、終わんない…」
「ごめんなさい、つい」
このやり取りも毎度のこと。
少し乱れた前髪が愛おしい。
たくさん汗かいてくれたんだね。
「次いつ会えるっけ?」
「来月の頭には会いに来れます……あと10日ほど先ですね」
「………………」
「え、都合が悪いですか?」
まだ私たちは東京と福岡の遠距離だ。
会社にも打ち明けたばかりでまだ日は浅い。
ショーツを履いてブラを拾って着ける。
その数秒間も我慢出来ずに後ろから抱きついてくる年下彼氏。
可愛い奴め。
「先約ですか?誰と?夜なら会えますか?」
焦り過ぎ。
片手で頭を撫でたら唇を重ねる。
「ううん、ちゃんと空けとくよ」
「はい、すぐ会いに来ます」
「ただし、その日はさ…」
言いかけて言葉に詰まる。
いや、こんなことわざわざ言うことでもないよな。
私、何言いかけてんのよ。
自然に任せればいいのに。
「瑠香さん…?」と顔を覗き込まれ視線が重なる。
よく見れば潤んだ瞳に鼻は高いし肌も綺麗……キスの上手い唇は笑うと白い歯が見える。
私……好きだ、この顔。
ギュッとされて心配そうにどうしたの?って聞いてきた。
そうだよね、どうしたんだろうね?私。
こんなこと、私の口から出る日が来るなんて。
「その日なんだけど……危険日なの」
「あ、はい……じゃあ、ちゃんとゴム着けます」
「そうじゃなくて…」
「え…?」
向かい合って頬に手を添える。
きっと今から言う言葉は女が言うと一番重いやつ。
でも口が勝手に動いちゃう。
声に出しちゃうの。
「すっごい溜めてきて……一人で出しちゃダメだからね?」
「はい……っていつもそうですけど」
お願い……わかって欲しいけど、言葉にしなきゃ伝わらないのがもどかしい。
頭の中は「?」だらけだよね。
「どうしてもその日……快くんが欲しい」
「僕も欲しいです、ていうか離れてた分取り返しますから」
「たっぷり中に出してね…?ゴム着けないで」
「え…?」