テキストサイズ

不埒に淫らで背徳な恋

第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】





でもすぐに彼の達筆に書かれたメモを見つけてそっと抱きしめる。




(おはようございます
一度家に帰ります
今日も頑張りましょう!
仕事で見返していきますのでこれからも指導宜しくお願いします)




佐野くんらしい………




そして、薬指に戻っていた指輪。
寝ている間に彼がはめてくれたのかと思うと胸が痛んだ。
メモと一緒に置いてくれてたら良かったのに。
どんな気持ちで戻してくれたの…?




まだ身体に残ってる……彼の温もり。
夢……なんかじゃない。
最後まではしてないけど私たちは愛し合えたんだよね…?




「あ、おはようございます!畠中チーフ」




「おはよう」




続々と社員が出社してくる。




「あ、今日はスカートだ〜」




「ん?今までも履いてたじゃない」




「似合ってます、チーフお洒落過ぎますよ〜」




ここ最近は移動も多かったからパンツスタイルだったけどロッカーに置いてあっま着替えがスカートばかりだったのよ。
やたら褒めてくれる髪型やピアスも、昨日は降ろしてたからアップにしただけだし、たまたまバックの中に入れてたピアスなだけでお洒落とか申し訳ない。




誰にも昨日帰ってませんなんて気付かれたくなくて必死なの。
逆に不自然かな?





「おはようございます、畠中チーフ」




振り返らなくても声だけでわかる。




「佐野っちおはよう〜」とか皆から言われてるけど私は真っすぐ彼を見た。




「おはよう、佐野くん」




いつも通りの笑顔で迎える。
いつも通り軽くミーティングして、
いつも通りの仕事をこなす。




「チーフ、ここなんですけど…」




「フォーマット送るから確認してみて」




「わかりました」




普段と変わらない距離感で居れてる。




皆で昼食中。
こっそり部長と計画していた佐野くんの歓迎会について話したら皆も二つ返事で参加するとのことだった。




皆とも仲良く出来てるし、本人も恥ずかしがってるけど嬉しそう。




「チーフ、さっきから携帯鳴ってません?」









ストーリーメニュー

TOPTOPへ