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不埒に淫らで背徳な恋

第3章 【破滅的な愛でしょうか?】





わざと誘うセリフ並べちゃって余裕ないくせに。
優しく微笑むキミは静かに頷いた。
グッと身体は密着してもう視線は外せない。




「じゃあ泣きやんでよ…」




そう言って私から唇を重ねた。
身体が熱いのがわかる。
触れるとこ全部熱帯びていくよ………
回る腕はキミを離さない。
止まらないよ……止められない。




何も考えられない。
ただただキミが欲しい。
ドア側に両手押さえられて指が絡む。
自由が効かないまま口内を侵されて
間に入った足で刺激してくる。




ブラウスのリボン結びを解かれ上からボタンが外れてく。
同時にはだけた首に舌が這う。




でもここじゃダメ……誰かが通れば聞こえてしまうかも知れない。
本当に警備の人が来たら不審に思われてしまう。




「キャッ…!」




熱く火照った彼を止めようとしたのに抱きかかえられてそのままソファーのある休憩スペースへ移動した。
軽々と持ち上げるけどかなり恥ずかしい。
重くないと言われても気が引ける。




座らされキス………
ジャケットを脱がされ自分も上着を脱ぐ。
ネクタイを外そうとした私の手を取り、甲や手のひらにキス………




あ…………指輪外された。
今日はズボンのポケットに入れられた。




互いに服を剥いでいき肩紐をずらされた時。




「本当に私でいいの…?」




上だけ脱いだ見事な彼の裸体は街灯が反射してはっきりと見える。




「私が……快くんを選んでもいいの?」




真っすぐ見据える瞳の中の私は……滑稽に映ってないかな。
見捨てられたくないのは私なの……バカでしょ?




優しく手を握ってくれる。
それだけで沁みて胸が痛い。
泣きたいのはこっちだよ………




「わかんないの……頭の中ぐちゃぐちゃ……これじゃ突き放した意味ないじゃん」




彼の拳の上がポタポタと濡れていく。
今だって服着てなかったことにしなきゃって思ってる。
外した指輪返して…って。
まだ間に合う…?引き返せる…!?




悲しみをグッと隠しながら微笑んで頷き話を聞いてくれてる。
握る手がこんなに温かい。




「私、結婚してるし……ここじゃ上司だし……こんな私のどこが良いの?」








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