不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第3章 始まる新生活
部屋に戻ってカーテンを取り付けると時刻は14時を過ぎていて、私たちは買ってきたハンバーガーを広げて食べた。
「なんか、新生活が始まるって感じがビンビンするね!私までワクワクしちゃう(笑)」
ポテトを高速で食べながら笑うアンナに、私は昨日と今日だけで何度も救われた。
「アンナ。ほんとにありがとね…」
「な~に言ってんの、当然でしょ?でも私がなんかあったときには、片時も離れないでよね~~(笑)」
「もちろん!手握って子守唄、うたうよ」
「うふふっ(笑)」
ケータイが鳴ると、瀬川くんからの着信だった。
「もしもし?」
「お疲れさん。今アパート?」
「うん、アンナとカーテン取り付けて…遅いお昼を食べたところ。瀬川くんは?」
アンナがニヤニヤして私を見ている。
「俺は用が終わったからいつでもOK。迎えに行くから連絡して」
電話を切ると、私はニヤニヤしているアンナに視線をやる。
「今晩、ごはんどうする?」
「ミライは瀬川くんとデートなんでしょう?私は帰りますよ~(笑)」
「ふふっ。予定ないなら一緒に行かない?」
「えっ…でもなぁ。いいの…?邪魔者じゃん、私~!」
「そんなことないよ~!瀬川くんも絶対いいよって言う!」
「ほんとぉ?じゃぁ…お邪魔しちゃおうかな。土曜の夜に1人ってのも寂しいし(笑)」
私はすぐに瀬川くんに電話をかける。
「あのね、今夜アンナも一緒に良いかな?引越し手伝ってくれたし、お礼も兼ねて」
「うん、もちろん。そうなるかなとちょっと思ってて、後部座席の片付けしてたとこ(笑)」
私はクスクスと笑いながら、瀬川くんの気遣いに嬉しくなった。
「18時頃、迎えに行く」
電話を終え、私たちは棚を組み立てる事にした。
食器棚に、炊飯器などを置くスペースが付いたものだ。
「板1枚でも、結構重いねぇぇ~!!」
「これ、どこの部品?!」
「あぁ、もうワケが分からない~~(笑)」
ギャアギャアと騒ぎながら作業を進めるが、16時を過ぎた頃に諦めた。
中途半端に組み立てられた棚を2人で眺め、苦笑する。