
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
「ケホッ、ケホケホケホッ…、ハァハァ…ケホケホケホッ!!」
「ひな口開けて。いくぞ?」
五条先生が吸入してくれるけど、やり方を忘れたのか上手く吸えない。
「ハァハァ…ハァハァ……ケホケホケホッ!!」
「落ち着け。変にタイミング合わせて吸おうとしなくていいから、しっかり深呼吸しなさい。」
と言われ頑張って深呼吸すると、
プシュッ…
上手くタイミングを合わせて吸入してくれた。
「ハァハァ…ハァハァ…ケホッ………ッハァ……ハァ…」
「大丈夫だ。そのままゆっくり呼吸して。」
「ハァハァ……ハァハァ、…ケホッ…ハァハァ……ハァハァ」
背中をさすってくれる五条先生に完全にもたれかかって、わたしは荒い呼吸を繰り返す。
