
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
それから、祥子さんに点滴を入れてもらって1人になると、わたしは泣きながら寝てしまっていたようで、
ピロリン♪
LIMEの通知音で目が覚めた。
"ひなの何時に退院する?明日大学来る?"
LIMEを送ってきたのは夏樹くん。
前期の講義はもう終わってるけど、大学には毎日行って夏樹と傑と勉強してた。
だから、昨日は1日入院になったことをグループLIMEで2人に伝えてあった。
"ごめん"
"今日退院できなくなったから明日も行けない"
既読2
すぐに既読が2になるってことは、夏樹と傑は今一緒なんだろう。
わたしも2人と一緒に勉強したかった…
"大丈夫か?喘息酷いの?"
"熱が上がっちゃって"
既読2
"藤堂先生に監禁された"
既読2
"テスト、受けれないと思う"
ぽんぽんぽんと返事を打って、最後は既読が付く前にLIMEを閉じた。
……はぁ。
と口から吐いたため息が今朝より熱い。
まだ2時間ほどしか経ってないけど、祥子さんが敷いてくれた氷枕もすっかり温くなってる。
「ハァ…ハァ……ケホケホ……ハァハァ…ケホケホッ」
咳も出るし、身体もしんどい…
「ケホケホケホ……ハァハァ、ケホケホッ…ハァハァ、ハァハァ」
頑張っても頑張っても、わたしはいつもこうなんだ…
