
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
「ひなちゃーん?ひなちゃん、わかる?しんどいね、深呼吸できるかな。」
祥子ちゃんに変わって背中をさすりながら手首を掴むと、ひなちゃんの身体がかなり熱い。
「祥子ちゃん体温は?」
「39度6分です。食事を運んで来たらこの状態だったので、発作が起きてから10分以上経ってるかもしれません…」
「了解。祥子ちゃん点滴用意して。酸素もお願い。あと、解熱剤も。」
「わかりました。」
「ひなちゃんしんどいね。先生の声わかる?ごめんね、ちょっともしもしするよー。」
ぐったりしながら微かに目を開くひなちゃんは、かろうじて意識があるくらいで会話は出来そうにない。
「ケホケホケホ……ハァ…ゲホゲホゲホッ……ハァハァ…」
「藤堂先生、準備できました。」
「ありがとう。酸素こっちもらう。祥子ちゃん点滴入れて。」
「はい。」
「ひなちゃんマスク付けるからね、身体にしっかり酸素送ってあげようね。ゆっくり呼吸するよー。」
と処置を進めていると、
「藤堂先生!」
食事を終えたのか、悠仁がやって来た。
