ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
コンコンコン___
「ひなちゃん、こんにちは。」
15時頃、部屋に藤堂先生が来た。
わたしはサッと背を向けて布団を被る。
「もぉ〜。そんなすぐに隠れないで。笑」
ふんっ!
藤堂先生の顔なんて見たくないんだから。
「気分はどう?お昼たくさん残してたけど、食欲なかった?」
「………。」
「ねぇねぇ、ひなちゃん。先生、ひなちゃんと少しお話ししたいな。だから、先生にお顔見せて。」
「………。」
「うーん、やっぱり嫌か。ひなちゃんとお話ししながら食べようと思って、おやつも持って来たんだけどなー。」
……お、や、つ?
「……ケホッ…ケホケホ!」
プリンかな?メロンパンかな?と、不覚にもおやつは食べたいな…と思ってしまい、口の中に唾液が溢れてきたせいでむせてしまった。