
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第85章 初めの一歩
それから20分ほど。
緊張して寝付けずにいると、
「ひーな、起きてるだろ?何も言ってくれないと俺不安になるぞ。」
って、五条先生に寝てないことがバレてしまった。
「恥ずかしいなら手握って返事してくれたらいいから。Yesなら1回、Noなら2回。いいか?」
そう言われ、
……ギュッ
と五条先生の手を握る。
「ん、ありがとう。そしたらもう一回聞くぞ。寝れないのか?」
ギュッ…
「俺と一緒に寝てるせいか?」
ギ…、ギュッ、ギュッ…
「ん?今Yesって言おうとしただろ笑。俺と寝るのは嫌じゃないけど、緊張して寝られないってか?」
ギュッ…
「ははっ、そうか。まぁいきなり過ぎたよな。黙って変えて悪かった、びっくりさせたな。でもそんな緊張しなくて大丈夫だから、力まないでリラックスして。」
と、今度は五条先生がわたしの手をギュッと。
そして、
「…なぁ、ひな。好きな人の隣で寝るって本当幸せだな。俺、ひなとずっとこうして寝たかったんだ。ひなはまだ緊張するかもしれないけど、俺は仕事の疲れも吹っ飛ぶくらい落ち着く。嬉しい。」
って。
