
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第85章 初めの一歩
…そっか。
五条先生、ずっとこうしたかったんだ…
"恋人らしいことしたいんじゃない?"
"五条先生、ずっと待ってるんだと思う。"
五条先生の言葉に夏樹の言葉をふと思い出す。
藤堂先生は気にするなって言ったけど、夏樹が言ったこと合ってるじゃん。
わたしって、五条先生にたくさん我慢させてるんだな。
はぁ……
夜更けに考え事をすれば、ネガティブになるのなんて100%。
「五条先生…」
「ん?」
「ごめんなさい…」
そう呟いた声が震えてるのを五条先生が逃すはずなく、
「ひな?」
繋いだ手はそのままに、仰向けだった体をわたしの方へ向けた。
