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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第85章 初めの一歩



「五条先生…」



「夏樹と傑に何言われたか知らないけど、俺は何も不満に思ってないぞ。俺が抱きしめると、ひなは照れながら嬉しそうにしてくれる。手を握っても、頭を撫でてもそう。ひながそうやって俺を受け入れてくれるだけで、俺はいつも嬉しいんだから。」



「でも、わたしたち恋人なのに、これじゃあ恋人じゃないみたい…。恋人っていうのは、その…」



「キスやハグするだけが恋人じゃないだろ?」



「ぇっ…?」



「はぁ…、あいつらに何吹き込まれたんだ…。今のが図星って、あんな発情期の猿みたいな男どもの話鵜呑みにするなよ…。」



「で、でも…」



「でもじゃない。」



「でも…っ、夏樹たちが言ったこと合ってるの。わたし触れられないんです。五条先生は恋人なのに、なぜか自分からは触れられなくて…。今日だってせっかく一緒に寝るっていうのに離れようとしちゃうし…。五条先生のこと本当に好きなのに…グスン」




溢れた涙を誤魔化すように五条先生の胸へ顔を埋めると、





「ひな…」




五条先生は、わたしをもう一つ深く抱きしめた。


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