ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第87章 帰るまでが遠足
「なら、他に何か触ったとかは?飲み物は何飲んでた?アナフィラキシーなんて何もなしに起こるはずないぞ…」
と言うと、
夏樹「飲み物もお茶とりんごジュースだけだった。水なくてお茶で薬飲んだけど、それは別に大丈夫だろ?」
ん?
お茶で、薬…?
「待て、ひな何か薬飲んだのか?」
ここのところずっと調子がいいひなは、普段は薬を飲んでない。
何かあった時のためにいくつか薬を持っておくよう言ってあったが、生理痛の鎮痛薬は持ってないって話だったし、旅行の間に薬を飲んだなんて聞いてない。
夏樹「うん、飲んだ。ひなの生理の薬持って来なかったって言ったじゃん?それで、傑が鎮痛薬持ってたからさ。ひなのに飲む?って聞いたら、うんって。」
…っ!?
まさか…
「それってどの鎮痛薬だ…?」
七海「どのって、ドラッグストアに売ってるロキソ…」
「んぁ!!?」
ロキソプロフェン…
ひながショックを起こしたのはそのせいだ。
ひなの身体はロキソプロフェンが使えない。
喘息の発作を誘発してしまうから、解熱や鎮痛にはアセトアミノフェンを量を調節した上で投与しなければいけない。
「勝手に市販薬なんて飲ませるな!!ふざけてんのか、この馬鹿どもがぁ!!!」
バシッ!!
突然発作を起こして意識を失ったと言うのも、これで話が通じる。
医者になろうという者が何抜かしたことを…
傑と夏樹を思いっきり引っ叩き、俺は初療室に駆け込んだ。