ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第87章 帰るまでが遠足
_____数時間後
藤堂「ひなちゃーん?今病院だよ、ICUにいるからね。」
目が覚めたひなは、こうして病院へ来るのが久しぶりだったせいか、すぐには状況を把握出来ていない様子。
藤堂「目覚めたね。気分悪くない?」
「コクッ…」
と頷くと、俺がいることにも気がついた。
「五条先生…」
「おかえり。」
そう言って手を握ると、ひなはなぜ病院にいるのか思い出したようで、
「わたし……傑は…?車、わたし傑の車汚しちゃったの…! っ、藤堂先生…?藤堂先生が買った車、血がついちゃって…ハァハァ、わたしが生理になったから…ハァハァ」
ってさっそくパニックになりかける。
藤堂「ひなちゃん、車のことは気にしなくて良いよ。」
「血なんかついたら取れないのに…っ、傑は?傑に謝らないと!!」
藤堂「大丈夫大丈夫。クリーニングすれば綺麗に落ちるから、心配しなくても大丈夫。傑も怒ったりしてなかったでしょ?」
「でもわたしのせいで…、せっかく楽しい旅行だったのに、わたしが倒れるから台無しになっちゃった…グスン」
「そんなことないだろ。ひなは楽しかったんだろ?夏樹と傑も楽しかったって言ってたのに、台無しだなんて言うな。」
「でも、帰るまでが遠足でしょ…?」
「も〜…。ひなぁ〜?"でも"って言うのやめなさい。ちゃんと俺のところに帰って来たんだから、それでいい。ほら、身体疲れてるから今日はもう寝なさい。」
とひなの手をまたギュッと握り、今度は頭も撫でてひなを寝かしつけた。