ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第87章 帰るまでが遠足
「痛くて病院まで持たないと思ったから飲んだんです…。傑がくれたものだし、普通に売ってる薬なのにどうして飲んじゃいけないの…?痛い時は我慢するなっていつも言うのに、怒らないでよ…グスン」
何がいけないのかわからないのに、五条先生に怒鳴られる。
病み上がりなのに、旅行の終わりにこんなことになって気持ちが沈んでるのに、久しぶりに怒られて涙がブワッと溢れた。
「ひな、お前の身体は人よりデリケートだから、大抵の薬は強過ぎるんだ。過敏に反応してしまう成分もあって、今回ひなが飲んだ薬もそれだ。アナフィラキシーの原因はロキソプロフェンだぞ。」
そんな、ロキソプロフェンなんてみんなよく飲む薬なのに。
考えてみればロキソプロフェンを処方されたことはなかったけど、痛み止めには大体ロキソプロフェンだし、まさか飲んじゃいけなかったなんて。
「そもそも薬は人からもらっていいものじゃない。実際みんなよくやってるかもしれないが、ひなはずっと病院にかかってるんだから、それくらい自分で考えなさい。」
「…ごめんなさぃ。グスン」
藤堂「先生たちはね、いつもひなちゃんの身体に合わせて薬を処方してるの。他の人と同じ薬に見えても、用量が違うこともある。今後、市販薬を勝手に飲むのは絶対にダメだからね?」
「はい、ごめんなさい…。」
藤堂「うん、お約束ね。そしたら、今日はもう1日入院して休んでくれる?昨日発作が起きてるから、念のため昼から検査しようね。」
「はい…。」
と力ない返事をすると、