ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第90章 デート
それから、俺は着替えてキッチンへ。
朝食を一緒に食べる約束だったから、ひなは絶対に朝から何も食べてない。
何か食べさせないと…
と、ちょうどひなの好きなさつまいもがあったんでさつまいも粥を。
そしてお粥を作り終え、おでこのタオルを取り替えようとすると、
「ん………」
ひなが目を覚ましかけたので、
トントン…
「ひな?」
軽く肩を叩き声をかけたら、ひなはゆっくり目を開けた。
「五条先生…」
「ただいま。ごめんな、遅くなって。デート、行けなくなって本当にごめん…」
言いながら頭を撫でると、ひなの目からポロポロと涙が溢れ出す。
「うぅ…ヒック…、五条先生……グスン」
ひな…
「約束守れなくて悪かった。ずっと楽しみにしてたのにな。ごめん、ごめんな…」
ひなの涙を見ると、より一層、自分の不甲斐なさを感じてやまない。
何度も謝りながら、ひなの止まらない涙を拭った。
けれどひなは、
「違ぅ…グスン、五条先生は悪くない…ヒック、ヒック」
と首を振るばかりで、決して俺が悪いということにしようとしない。
言葉を変えて俺が悪いと伝えてみるも、一生懸命それを否定される。
そして、そうこう言ってるうちに、
「悲しいの…、自分のせいだかっ…コホッ……コホコホ、コホッ!」
とひなが咳き込み始めた。