ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第90章 デート
「大丈夫か?ごめんな、ひなしんどいな…」
そう言いながら、ひなの身体を横に向けて背中をさする。
「コホコホッ…、コホッ…グスン……コホッ!」
「咳出てきちゃったな…。ひな?今な、ひなお熱が出てるんだ。少しだけ、もしもししてもいいか?」
と言うと、ひなは熱があると思っていなかったようで、一瞬、驚きと不安が入り混じる顔を見せたが、素直にコクッと頷いてくれた。
「そのまま楽にしててな。すぐ終わるから。」
と、服の隙間から手を入れて聴診する。
熱、上がってきてるな…
着替えた服を脱衣所に持って行った時、洗濯カゴにバスタオルが入っていて、浴室も濡れていた。
ひなは今朝シャワーを浴びて、そのせいで熱が出てる。
その後、ソファーでずっと寝ていたことも追い討ちをかけたんだろう。
冬の寒い朝にシャワーするなんて、いつもなら間違いなく叱るけど、今日は叱れない。
デートのためにそうしたんだろうし、俺のせいで、心も身体もしんどい思いをさせてしまったから。