ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第90章 デート
宇髄「胸の音から聴いてみるよ。咳出てもいいからゆっくり呼吸してみよう。」
病院に着くと、当直の宇髄先生がひなを診てくれた。
俺はベッドに腰掛けるひなを背後から抱くように支えてる。
「ハァ……ハァ……ッコホ、ゴホゴホッ…」
宇髄「ん〜…変な咳してるな。風邪から喘息が誘発されてるか。五条、ひなちゃんの頭押さえて。」
聴診器を首に掛けながら言う宇髄先生が、舌圧子を手に取ろうとしたので、
これ、ひな嘔吐くな……
可哀想だけど仕方ないと思いつつ、ひなの頭を押さえると、
宇髄「ひなちゃ〜ん、お口あーんしよう。」
「あー……ッ、オエッ…ゴホゴホゴホッ!!」
案の定という感じ。
宇髄「ひなちゃんごめんな〜。苦しいけど、ちょっとだけ頑張ってお口開けられるかな?あーって言ってごらん。」
でも、いつもなら全力で首を振って拒否するところ、涙目になりながらも口を開けたのは予想外。
宇髄「ん、良い子だなー。もうちょっとだ。」
「…ォエッ……ゴホゴホッ…、ゴホッ…ォエッ…」
宇髄「よ〜し、お利口さん。えらかった。次、ベッドごろんしよう。」
咳き込みながら嘔吐きながら頑張ったひなは、また一段とぐったりして、倒れ込むように横になった。
と同時に、ドアをノックする音が鳴って、
藤堂「お疲れ様です。」
藤堂先生が来た。