ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第90章 デート
〜内科医局〜
宇髄「付き合いたての頃、祥子に言われたことあるんだけどな。デートをドタキャンされることに、怒りや悲しみは一切ないって。医者の彼女になった時点で、そんなことは百も承知してるから、謝る時間とその口で、キスのひとつでもして欲しいだと。」
藤堂「あはは、祥子ちゃんらしいな。以後、ドタキャンの後には必ずキスを?」
宇髄「いいや、抱いてる。キスどころか、必ず抱く。」
藤堂「んもう。笑 …でもまぁ、デートのために頑張ったことが報われない。たった数時間のために、時間をかけ、労力をかけ、最高の自分に仕上げる。身も心も魔法にかかって、気分はもうシンデレラです。それが、王子様に出会わずして魔法がパッと解けて…切なくも悲しくもなりますよね、女の子は。ひなちゃんも、そういうことだったんじゃないかな。」
宇髄「……藤堂、その女心はどの子に教わったんだ?」
藤堂「ちょっと、どの子って。笑」
宇髄「ははっ、冗談。女の子が寄って集ってくるだけで、お前が女に興味ないのは知ってる。」
藤堂「いや、興味は大いにありますけどね。集ってくる子には興味がないだけです。ただのアクセサリーにされるのはごめんなので。祥子ちゃんにしろひなちゃんにしろ、ドタキャンされても文句ひとつ言わず、ひとり泣いちゃうような子は可愛いなと思いますよ。抱きしめてあげたくなる。」
宇髄「おい、祥子は渡さんぞ…?」
藤堂「も〜笑。大切なパートナーがいる子を取って食べたりはしませんよ。そんな風に見えます?」
宇髄「ははっ。見えるわけないだろ。お前ほどの紳士を俺は見たことない。」
藤堂「それはそれは、恐縮です。笑」
宇髄「ということで、まぁ何が言いたかったって…、ひなちゃんは、もう立派な五条の彼女だってことだ。…五条?」