ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第90章 デート
宇髄「五条。」
「はい…」
宇髄「それは…、違うんじゃないか?」
「え…?」
コーヒーを口へ運ぶ手をピタッと止めて、重みある声と鋭い眼差しを向けた宇髄先生に、俺はドキッと俯く顔を上げた。
そして、宇髄先生はコーヒーをそっと机に置くと、
宇髄「ひなちゃんの身体が心配なのも、そばにいてやりたいと思うのもわかる。でもな、人生を左右しかねない大事な話を、そうやってお前ひとりで決めるのは違う。五条には、ひなちゃんがいるだろひなちゃんが。」
厳しくも優しく、俺を諭すように言葉をつなぐ。
宇髄「さっき言ったよな、ひなちゃんは五条の立派な彼女だって。何度デートがリスケになろうと、笑顔で次のデートを楽しみにして、自分がつらい時でも五条の心と身体を心配して、あの病院嫌いが自分から病院来たんだぞ。ひなちゃんは、自分のことよりずっと五条のこと考えてるのに、どうしてお前がそんな自分勝手なんだ?」
…っ。
藤堂「悠仁。ひなちゃんはもう子どもじゃないよ。医者や保護者としてひなちゃんを支える意識が先行してるなら、それはもう変えないと。悠仁のパートナーなんだから…。悠仁が思ってる以上に、あの子はもう大人だよ。ちゃんと、ひなちゃんに話してごらんよ。」
ぽんぽんっ