ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第91章 ひなのウイルス
「スー……スー……」
部屋を覗くと、どうやら五条先生は寝てるみたい。
足音を立てないように、これまたそーっと部屋に入って近づいてみる。
すると、さっきは気づかなかったけど、枕元に体温計と飲みかけのスポーツドリンクが置いてあった。
自分で熱測って、スポーツドリンクも飲むなんて、
やっぱり、熱あるんだよね…
"隠すな"とか"嘘つくな"とかって人にはいつも言うくせに、自分だって隠すしバレバレじゃん…。
と、頬をぷくっと膨らませつつ、五条先生の熱を測ってみようと体温計を手に取った。
だけど、体温計なんか使ったらさすがに起きるかと思い、息を殺してそーっとおでこに手を当てると、
……っ!!?
今まで自分が熱を出した時に触ってきたどのおでこより、熱かった。