
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第91章 ひなのウイルス
「藤堂先生…わたし……グスッ」
朝からずっとずっと不安だった。
何もわからなくて、何もうまくできなくて、こんな失敗しちゃって…
1人じゃどうしようもできないと、完全にフリーズしたところに藤堂先生が現れて、
あぁ、助けが来た…
って、ものすっごくホッとした。
「五条先生がいなくて、咳してて、熱出て…ヒック、タオルもわかんないし、救急箱もないし、うどん忘れちゃうし…ヒック」
こう一生懸命に言われても、藤堂先生は何のことやらなはずだけど、さすがわたしの主治医様は、これだけで大方わかってくれたみたいで、
「そっかそっか。不安だったのにえらかったよ。よく頑張りました。もう大丈夫だからね。」
と、今なお手と足を冷やしてくれながら優しく微笑んでくれて、その微笑みは王子様でなく神様みたいな、もはや聖母マリア様かと思うくらい、神々しかった。
