ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第93章 誕生日の温泉旅行
「今日からひなも20歳だから…大人になった記念に。ひなが初めて身につけるジュエリーは、俺が贈ろうってずっと思ってた。」
そう言いながら、五条先生が手首につけてくれたブレスレットは、涙で滲んじゃってはっきり見えない。
それでも、しっかりと輝きを放ってみせるから、やっぱり本物のダイヤモンドなんだって思う。
「ん、よく似合う。気に入ってくれたか?」
コクコクコク…
「うれしいです…グスン、すごく綺麗で…一生大切にします…グスン」
「よかった。ほら、もう泣くな。うれしい時は笑ってくれなきゃ。」
って言われても、今はそんなの無理。
少しの間、わたしは五条先生の胸の中に顔を埋めた。