
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第95章 留学前の惨事
歩道に乗り上げて、街路樹に衝突した車。
その後ろに2台の車が追突してる。
血を流して泣き叫ぶ女の子、倒れた自転車と男性、座り込む者が数名に、前方2台の運転手は意識があやしい。
すでに何人かの医師や看護師が対応しているが、ざっと見渡して負傷者は10名以上。
そしてその中に、
ひな…っ
3台玉突いた車の脇で、傑から心臓マッサージを受けるひなの姿が。
「ひな…っ!!」
宇髄「工藤、藤堂、五条と行け。」
『はいっ!』
宇髄「神崎は俺と残りの負傷者トリアージ。軽症者は既にいるやつに任せていい。俺らは赤タグなんとかするぞ。」
神崎「はいっ!」
俺は一目散にひなへと駆け寄り、宇髄先生は冷静に現場の状況を判断して指示を飛ばす。
それでも、トリアージ最優先がひなだというのは明確で、工藤先生と藤堂先生も回してくれた。
「ひなー?ひなー!」
呼びかけに応じない、脈も触れない、呼吸も無い。
全身を強く打った様子で頭部からも出血がある。
夏樹「兄ちゃん!!」
七海「ハァ、ハァ、…っ、ハァ……」
藤堂「傑代われ。」
息を切らす傑と藤堂先生が心臓マッサージを代わり、
工藤「夏樹、何がどうしてこうなったか説明しろ。」
夏樹「えっ、あ、あ、く、くく、くるまが…」
工藤「何言ってんだしっかりしろ!!いいか?お前の情報が頼りになるんだ。絶対に助けるから落ち着いて一から話せ。ひなちゃん心停止して何分経ってる。」
言いながら、工藤先生は凄まじい手際の良さでモニターをつけてラインを取っていく。
