ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第96章 偉大な母
藤堂「あ、悠仁来てたんだ。おはよう。」
「おはようございます。」
工藤「ひなちゃんよかったな。五条先生朝から来てくれたな。」
工藤先生が元気いっぱいひなに話しかけるが、ひなは無視。
藤堂「ひなちゃん、おはよう。お粥持って来たけどどうする?」
「……。」
藤堂「今朝もやめとく?」
「コクッ…」
でも、これには速攻で頷く。
今のひなには食事の介助が必要だが、外科に入ってるので馴染みの看護師がいない。
まこちゃんや祥子さん以外の看護師を付けても仕方ないだろうということで、先生たちが直接食事の世話までしてくれている。
とはいえ、まだ一度も口にできていないが。
藤堂「うん、そしたらやめとこう。無理しなくて大丈夫だからね。お腹が空いたら教えてね。」
「コクッ…」
優しい王子様に食べなくてもいいと言われ、少しホッとした表情を見せたひなは、
藤堂「そしたらひなちゃん、少しだけ胸の音聴いてみてもいいかな?」
そう言われた瞬間、一気に顔と身体を強張らせた。