ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第96章 偉大な母
「ハァ、ハァ……フリフリフリ!!」
またどこから湧いてんだという力で藤堂先生と工藤先生の手から逃れようとして、
藤堂「ひなちゃんごめんねー。痛いことしないから少しだけ頑張ろうね。」
工藤「すぐ終わるからな。深呼吸2回だけ頑張れるか?」
「ハァ、ハァ、ハァハァ…ハァハァ……っ…」
ひなは過呼吸に陥る。
こうなれば聴診も何もできたもんじゃない。
藤堂先生と工藤先生は顔を見合わせて、ひなを押さえる手を緩めた。
工藤「よし、ひなちゃん今日もやめとこうか。なっ!手首で脈だけ測らせてな。」
藤堂「ひなちゃん怖かったね。もうしないから、ゆっくり深呼吸して落ち着くよ。」
「ハァハァ……っ、ハァハァッ……ハァハァ…」
「焦らなくていいんだぞ。大丈夫だ、呼吸に集中してごらん。」
ベッドで横向きになるひなに顔の高さを揃えてしゃがみ、藤堂先生と工藤先生と俺も一緒になってひなを落ち着かせた。