
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第96章 偉大な母
〜外科医局〜
五父「うーん…。どうしたものかなぁ…。」
午後になって、親父付きの黒柱会議。
本当なら、今頃は俺とひなとアメリカに帰っていたはずの親父だが、今月いっぱいは日本に残ることになった。
工藤「今朝も食事診察ともにダメでした。そろそろ食事だけでも取れるようになるといいのですが、現状まだまだ厳しいです。」
ひなの様子は今朝の通りで、毎日点滴から栄養入れて、診察は寝てる隙に。
しっかり診察や検査をしないといけない時は、鎮静剤や軽い麻酔を使ったりもしてる。
いつまでもこんなことはできないので、早くなんとかしたいのだが、打開策が見つからない。
黒柱に親父まで…これだけの腕利きが集まっても、みんなひなには頭を抱えてしまう。
「頷くようにはなったんですけどね。YesかNoで返せることに限りますけど。」
五父「悠仁でも、今のひなちゃんは難しいか。」
「心も頭もぐちゃぐちゃだから。事故のショック、留学に行けないこと、手術したこと…ひなを苦しめてる要因がひしめき合ってて、どこから取り除いてあげればいいのかわからない。見えないんだ、糸口が…」
五父「このままだと、良くなるものも良くならない。せっかく救った命はきちんと生かしてあげたいのにな。」
と、答えの出ぬまま皆がひなのカルテを見つめていると、
あっ…
ひとつ、あることを思いついた。
