ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第96章 偉大な母
「ひなちゃん、あーん。」
お母さんが作ってきてくれたお粥を、
パクッ…
とひと口、食べさせてもらった。
「熱くない?」
てっきり冷め切ったお粥を食べるのかと思いきや、いつもと明らかにレベルが違うこの部屋の中には、なんとキッチンとダイニングがあり、
「お粥温めてくるわね!」
と、お母さんが部屋の中にある扉の向こうに行ったと思ったら、土鍋に入ったホカホカのお粥を持って来たからびっくり。
ホテルというより、もはやマンションの一室。
でも、そのおかげでお母さんの温かいお粥が美味しくて美味しくて、もう何日ぶりに口にしたのかというごはんが身体中に染み渡る。
「おいしい…」
ぽつりと呟くと、お母さんはすごく嬉しそうで、
「よかった。ひなちゃんが美味しいって食べてくれて、作ってきた甲斐があるわ。もうひと口食べられそう?」
「コクッ…」
と頷くと、次のひと口をわたしの口に運んでくれた。