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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第97章 大丈夫じゃない2人

-ひなのside-




_____1時間後




「ひなの心臓は車から落ちた衝撃で損傷したんだ。心破裂、わかるよな?」



「はい…」



「駆けつけた時には心タンポナーデ起こしてた。その場で心嚢穿刺して、心拍が戻って、それから、工藤先生とお父さんがオペしてくれた。」




五条先生の胸の中で1時間。

身体も気持ちも落ち着くと、事故に遭った日から今日に至るまで、何がどうなっているのか五条先生に全部教えてもらった。




「ひなの目が覚めたのは事故から1週間後。その間、数日間は高熱が出てたし、心停止もしてる。幸い脳に異常はなくて——」




頭はフロントガラスにぶつかった時に切れた。包帯ぐるぐるだけど、宇髄先生が傷痕を残さないようにって髪を剃らずに縫ってくれた。

全身打撲と擦り傷は時間が経てば良くなるから大丈夫。夏樹と傑が車から落ちる時に守ってくれたおかげで、顔の傷が1番軽傷で済んでる。



みんなが守ってくれて、助けてくれて、わたしは今ここにいる。

あの時、夏樹と傑が一緒じゃなかったら、事故が病院の前じゃなかったら、助けてくれたのが黒柱とお父さんじゃなかったら、大好きな五条先生に二度と会えなかったかもしれない。


だからもう、




「——ひな、残念だけど…留学」



「わかってます。留学には、行けないですよね。」


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